赤い糸の繋がる先
俺がアイツを思ってもアイツはいつも俺を幼馴染みとしか見たい…
凄く凄く好きなのに…
…キーン
コーンカーンコーンー…
不意に校内に響き渡った授業の終わりのチャイム。
俺は、はっと我に返った。六時間目の最後の授業は終わりホームルームまでもが今終わった、皆が一人一人帰る準備をして帰って行く。
「雄ー!…大変だぞ!!」
煩い位に大きな声で俺の名前を呼んで近付いてくる奴、犬井義樹[イヌイヨシキ]だった。
「…何だよ…義樹?」
俺は義樹を見るなり嫌そうに眉間に皺を寄せる。
義樹もまた俺が赤い糸が見える事の知っている、数少ない友達の一人。
ま、コイツは友達って言うより親友で俺が藍華の事が好きな事も勿論知っている。
気の許せる大切な仲間。