さよならとその向こう側
彩夏の事が気になって、綾さんとの話に集中出来そうに無かった。


早く側に行って彩夏を抱き締めてあげたい。

安心させてあげたい。

愛しているのは彩夏だけだと伝えたい。



だが、今の俺では説得力が無いから…余計に不安にさせるだけだろう。


やはり綾さんときっちり別れなくては。



それから、綾さんにも。

気持ちが無いのに付き合ったりして、最低な事をした。
今、彩夏の部屋から電話越しに別れ話なんてしたら、余りにも失礼だろう。


きちんと会って伝えなくては。




そんな事を考え、長い沈黙の後に綾さんと会う約束をした。


それから彩夏をなだめ、部屋を後にした。


今度来る時には、もう一度、彩夏の恋人に戻っていると決心して………。



< 133 / 403 >

この作品をシェア

pagetop