さよならとその向こう側
ただ待つ事〜彩夏〜


あの夜。

実が帰ってから、私はずっと考えていた。


実の言葉の意味。


――あれは、彼女に別れを告げるつもりだって事?




複雑な心境だった。


あれ程、実とやり直したいと望んでいたのに。

愛し合っているはずなのに。

その思いを貫いたら、実は大学を辞める事になる。



――私は止めるべきだった?



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