さよならとその向こう側

こういうのを衝動買いというのだろうか？


だが、どうしても彩夏に会いたくて。

彩夏にぴったりだと直感したこの指輪をプレゼントしたかった。



「すみません。」


声をかけると、店員は直ぐにこちらに来てくれた。



「この指輪を……。」

そこまで言うと、女性店員は微笑んだ。


「プレゼントでよろしいでしょうか？」


「――はい。」







こうして、慣れない行為に恥ずかしさを覚えながらも、そのプレゼントを持って店を出る。




彩夏は喜んでくれるだろうか？