さよならとその向こう側
クリスマスイブ〜彩夏〜
12月に入ってから、街はイルミネーションに包まれていた。
綺麗な街並みに、あちこちから聞こえて来るクリスマスソング。
私の気持ちは複雑だった。
――今年も、実と二人で過ごせるの?
まだ何の連絡もない。
それでも、渡せるか分からないプレゼントだけは、買っていた。
きっと、クリスマスイブになったら、連絡してくれるはずだと……どこかでそう信じていたからかもしれない。