さよならとその向こう側

「うん、そうだよね。」


力の無い、弱々しい言い方だったかもしれない。


だから、志乃は少し困ったような表情をして見せた。



「彩夏、明日は私空いてるから。ケーキさえ持参してくれればいつでも遊びに来ていいよ。」


そう言ってくれたのは志乃の優しさ。

でも、同時に、私と実の関係が上手くいかないんじゃないかって……思ってるって事だ。




複雑な気持ちだった。




「ありがとう…なのかな?それより彼はいいの?」


そう、志乃は来年結婚が決まっている彼氏がいる。

当然、クリスマスは一緒に過ごすはずじゃないのかな?


「うん、いいの。彼はイブは出張でいないんだ。だからクリスマスは25日に一緒にするつもり。」


志乃は満面の笑みでそう答えた。





「…そっかぁ。」




でも、正直今の私には、幸せ一杯の志乃の笑顔が……眩しかった。


羨ましかった。



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