さよならとその向こう側
私は今、駅で実を待っている。

デートの時はいつも、この大学の最寄り駅で待ち合わせをしている。



今日は一日が長かった…。

志乃に話を聞いてから、なかなか就業時間が終わらなかった。




あんな話、嘘だって思いたい。


だけど………。


考えるだけで泣きそうになる。


私は涙を堪える為に上を向いた。





「彩夏、お待たせ。」



いつの間にか目の前に実がいた。




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