さよならとその向こう側
合わせる顔が無いって分かっていながら、それでも会いたいと願ってしまう。


体中の痛みより、実さんを想う胸の痛みの方が……余程辛い。



考えれば考える程切なくて、涙が込み上げて来たから、慌てて顔を両手で隠した。



だって両親の視線を感じるの。

こんなに心配かけてたくせに、更に二人の前で泣くなんて駄目だよ。


そう思うのに、涙は止まってくれない。

静かに頬を伝う。



< 277 / 403 >

この作品をシェア

pagetop