さよならとその向こう側
「どうして、お父さんが手紙なんて……?それに、どうして此処にあるの?」


なんとなく読むのが怖くて、先延ばしにしたくて、あまり気にもならない事を質問してみる。


「読めば、分かると思うよ。」


叔父さんはそう答えると、静かに立ち上がり私に手紙を渡す。


゛大丈夫だから読みなさい゛

叔父さんの瞳はそう言っているみたいだった。


だから、恐る恐る手を出し受け取った。




封筒には


『最愛の家族へ』



と書かれていた――。




< 306 / 403 >

この作品をシェア

pagetop