さよならとその向こう側


「――お待ちしてました。」


病室の廊下から、そんな声が聞こえて来た。


お母さんの声。


だから、すぐに分かった。





実さんが来た。





すぐ側に実さんがいると感じるだけで、こんなにドキドキする。


やっぱり私、実さんに会えるのが嬉しい。




実さんを――愛してる。







再確認したから、今決めた。


最後にもう一度、私の気持ちを伝えておこうと。




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