さよならとその向こう側
「こんにちは、お忙しいところすみません。佐和田の娘ですが…」


突然父の研究室に入って行くのも失礼なので、いつも事務室に声をかけてからにしている。


「こんにちは佐和田様。教授が研究室でお待ちですよ。」


にっこり笑って対応してくれる彼女は、一年程前から勤めだした事務員さん。

"水嶋彩夏"
(みずしまさやか)

多分私より年下であろう、水嶋さん。あまりにも綺麗な人なので、すぐに顔を覚えてしまった。



もちろんこの時は知らなかった。

私が彼女と深く関わる事になるなんて。


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