さよならとその向こう側
私は最低かもしれない。
お風呂に入りながら、なんだか上機嫌で鼻歌なんて歌ってしまう。
”元気がない”ってことは、神田さんは振られたのかも知れない。
きっと今彼は苦しんでいるのかも知れない。
だけど私は、ほころぶ顔を抑える事が出来なかった。
それどころか、今度はいつ突然の訪問があってもいいようにと、神田さんに綺麗に見られたいと、念入りに体を洗った。
そして、うきうき、ドキドキしながら、大学に遊びに行く計画を立てていた。
彼女という存在が無くなった今なら、私にもチャンスはあるかもしれない。
そんな考えが頭を埋め尽くし、思った通り、眠れない夜を過ごした。