さよならとその向こう側
また、あの日の夢を見た。
もう十年経つのに、お母さんの言った言葉ひとつひとつを鮮明に覚えている。
もう二度と、会う事の出来ないお母さん。
お母さん、私ね。
幸せな家庭を作りたかった。
心から愛した人と、ただ一緒にいたかった。
私がいて、実がいて、私達の子供がいて・・・。
平凡な家庭でいいのに。
お母さん。
私は、幸せにはなれないの?
どうして私の大切な人は、いつも離れて行ってしまうのですか?