さよならとその向こう側

コンコン

【佐和田】
とプレートの付いたドアをノックする。


「どうぞ」


中から、父の声が聞こえてきたのでドアを開けて中に入る。


「お父さん、頼まれた資料持って……」


目の前にいた彼を見て、私は言葉を失ってしまった。

すらっと背が高く、細身で清潔感が漂っていて、切れ長の瞳がとても印象的だった。


"素敵"


咄嗟にそう思った私は、間違いなく一目惚れをした。


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