さよならとその向こう側

「教授の娘だからって考えると……だからこそ、付き合う事をＯＫしたのかもしれないし。」


「どういう意味？」


よくわからなくて聞き返すと、亜沙美は少し表情を曇らせた。

そして、小さなため息をついてから口を開いた。


「はっきり言うと…」


「うん。」


「神田さんにとっては、綾と上手くいけば得する事が沢山あるんじゃない？って意味。」


私と上手くいけば、得？

それって…。

仕事の都合上って事？


「私が佐和田教授の娘だから？」


「まぁ、そういう事。……ただの可能性だけどね。」