ダイスキ。
…がーん!!
「せ、つ…っ?」

刹は、誰か綺麗な女の人と話してる。

「~~~~ッッ」

怒りがこみ上げてくる…。
それと同時に、涙も。
刹にとっては違ったんだ。
私を置いてまで全速力で走っていった刹。
…私より、その女の人が大切だったみたい。
刹とはクラスが違うから(今年初めて違うクラスになった)
いつも15分間ココで話してた。
私しか話さなかったけど、ニコニコしながら
聞いてくれる刹がダイスキだったんだけど。
本当はつまんなかったんだよね?

あー、もう嫌い。
こんなマイナス思考な私、嫌い!

私はブンブンと頭を振り、気合を入れなおした。
今日は、教室にもう行こう。

私は上履きに履き替え、―辛かったけど―刹と女の人の横を通り過ぎた。

「はっ!?紫菜?!」

刹が呼ぶ声が聞こえる。
ぜぇったい、振り向くもんか!!


「おっはよー♪紫菜!」

「莉月(りつき)ちゃん!おはようっ」

彼女は、莉月ちゃん。
私の大親友。

「今日は速かったんだね?」

首を傾げてたずねる姿が可愛い。

「うん!ちょっと、どっかの馬鹿が浮気しちゃってさ~」

本当は泣きそう。
でも、ここではなきたくない。
~~~ッ!
刹なんかには負けないもんっ


「えぇ?刹くんがぁ!?」

何でそんなに驚くかなぁ?
< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop