恋するシステム
ちゅー……ずずず。

あ、『燃料』がなくなった。

ジュース感覚で飲めるから、あっという間だ。

別にね

『燃料』が嫌いなわけじゃないもん。

あたしが嫌いなのは、お父さんの趣味の、このシルバーな容器。

だって……

なんだかウルトラマンとか

ヒーロー戦隊なんかが持ってるアイテムみたいなんだもん。

キャップをして、チューブをバックに放り込む。

まあ一応、使い回しが利くんだよね、これ。

だからずっとこのメタリックでシルバーの容器なわけ。

「亜紀って、やっぱり、あれ、……なんだよね。……それ飲んでるの見ると、どうしても実感しちゃうなあ」

ミナは、周囲に聞かれることを気にして

アンドロイドのことを『あれ』って言い換える。

私は笑った。

「へっへっへぇ、ミナも飲んでみるぅ?」

「いぃぃぃ、いいっ! 要らない要らないっ」

と全力で首を横に振るミナ。

おかしくって、あたしはさらに笑った。
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