恋するシステム
「おはようございまーす」

と、当たり障りない感じで、ミナと一緒に挨拶する。

「おう、おはようさん」

デブ崎が振り返った。

ああも……なんてこったろ。

今朝はすごく清々しいのに

デブ崎のアブラギッシュな顔見ると、急に不快感が……

なのにデブ崎は、やけに笑顔だ。

  コンピューター
私の集積回路が出してる答えなんだけど

教師って、優等生を見ると笑顔になるらしい。

理由まではわかんない。

デブ崎は大きな鼻でフンフンと深呼吸した。

「いやあ、今日はいい天気だなぁ、なあ?」

「そーですね」

「お前らみたいないい生徒ばっかなら、俺ももっとこの清々しさを味わえるんだがなあ」

「そーですね」

「うむ、ほれ、とっとと教室に行け? 朝読書があるだろ」

「そーですね」

いったいどんな意味があったの、この会話?

って、聞き返したらいけないんだろぉなあ。

先生のメンツもあるもんなあ。

なんかあたしは途中から、いいともに出演してるような気がしたよ。
< 15 / 47 >

この作品をシェア

pagetop