恋するシステム
話に聞いただけだけど……

ミナが体育で足をくじいた時

高木くんが保健室まで連れてったくれたらしい。

おんぶで。

あたしはその日

ちょっとボディのメンテナンスがあって学校を休んだから

細かいとこ、詳しくは知らない。

でも次の日にはもう

ミナは恋する乙女になっていた。

そう……

〝恋〟っていうものが

ミナを変えたんだ。

一目でわかった。

ミナの表情が、これまでと違ったし

なにより――

親友のあたしでさえ見たことない顔をしてた。

そしてあたしにこう言ったんだ。

「高木くんのこと……好きになっちゃったかも」









「やれやれぇ、乙女ですなぁ、野宮ミナさんはぁ」

「あーっ、亜紀ってばそうやっておちょくるんだからあ」

「はははっ」

つまんないやり取りをしながら教室に入る。

あたしとミナの席は、前後で接してる。

あたしがミナの前の席だ。

カバンを机の横っちょにかけて

後ろへ振り返る。

ミナの机に頬杖を突いた。

にやり。

「それでミナ、高木くんにはいつ告白すんの?」

「えっ!? こくはっ!? えぇっ!?」

「はれ? えっ、なに? しないの? 告白」
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