恋するシステム
思わぬミナのしどろもどろに

あたしもきょとんだ。

てっきり、そのうち高木くんに告白するものだと思ってた。

「あ、うん、告白、するよ? する――けどさ……そんないつとかは……」

「ふーん……決めてないんだ?」

「う、うん」

「そっか」

と、あいまいにうなずくぐらいしか

あたしにはできない。

だってあたし

喜怒哀楽の感情はあるけど

〝恋〟ってのがどんなものか

よくわかんないんだ。

「難しいんだねぇ、恋ってやつは」

「あ、亜紀ってばそんな他人事みたいにー」

「えーっ、だって他人事なんだもん。それに、〝恋〟とか、その〝好き〟っていうの、よくわかんないんだもん、あたし」

そこで、ハッと閃く。

「そうだ、〝恋〟を説明してよ、ミナ!」

「私が!?」

「そうっ! 恋の先輩じゃんミナっ、よろしくっ」

「ええっ、うーん……」

あらら

ミナは頭を抱えて、本気モードで悩み始めた。

うーん、うーん、うーん……

って、何度もうなってる。

ミナは人間だからありえないけど

そんなに脳を使ったらオーバーヒートしない?

って感じだ。
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