恋するシステム
さらにさらにうなったミナは、結局――

「わかんないっ」

とお手上げのポーズを取った。

開き直りだ!

「えーっ、なんでー!」

「なんでって訊かれたって、そんなの私もなんでぇ? だもん」

「なにそれー」

「わかんないよぉ。ただね、なんてゆーか……きゅうってなるの、胸とか、喉とか」

「きゅう?」

「そうそう。で、ちょっと息苦しくなるんだけど、それって別に苦痛じゃないの」

「え~、息苦しいのにぃ?」

「うんー、なんてゆーか、気持ちいい苦しさ、みたいな?」

「ミナってMだったのっ?」

「ちっがうよっ!」

思いっきり反論されて

あたしは笑った。

「はははっ、冗談だってばー。とりあえず、〝恋〟って、きゅうってなるんだね?」

「うん、まあとりあえずね? あ、それから、ぽわーって感じもする」

「ぽわー……?」

「そう、ぽわー。あと、ルンルンで、でもちょっとチクチク?」

「ミナさあ」

「なにぃ?」

「たとえ話とか、チョー下手っぴだよね」

「うっ、うるさいなあっ」

「あは、ごめんごめん」

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