恋するシステム
『私は、ヨシが好き。

ヨシもきっと、私が好き。

それなのに、なんで、こんな……。

私達は幼馴染みで、両想いで、恋人じゃない。そんな関係。

もしちゃんと、ヨシと恋人になれたら――

小さい頃はそんな話をしたら逆におかしくて、えーっ、とか笑っていたのに、今はこんなに夢描いてる。

本当に、もしそうなれたら。それはもう――

壁に寄りかかってふと窓のほうへ向くと、夕日はほとんど校舎の向こうへ隠れてしまいそうだった。

根性なのかなんなのか、たった一条だけ、しつこく差し込んでくる。

たまらなくなって、私は思わず、頭の中の想像とごっちゃにして、呟いた。

「もう……眩しいよ、すごく……」』





「はあ……」

と、思わず溜め息が出た。

この女の子がヨシってやつをすごく好きなのはわかるんだけど

でも、共感ができない。

データ、情報として、二人の関係なんかもわかるし

この女の子がどんだけヨシを好きなのかもわかる。

でもやっぱり共感ができない。

あたしはたしかに喜怒哀楽はあるけど

それはプログラムなんだ。

嫌なことを言われたら悲しいとか

お笑いを見たら笑っちゃうとか

そんな条件反射がプログラミングされてる。
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