恋するシステム
あたし達の学校は窓がすりガラスだから

シルエットしかわかんない。

教室の前を

背の高い、黒髪のだれかが通った――

ってことしかわかんない。

「あ、やっぱり大竹原くんだね」

と、ミナは自信ありげ。

「なんで? わかんの?」

「うーん、だってすごい背ぇ高かったでしょ。大竹原くんバスケ部だし。特徴だもん」

「ふーん、バスケ部でヒーローですか」

「ヒーロー? ……なんの話?」

「あ、あのね?」

「んっ、うんっ。おほんおほん」

と、突然響く咳払い。

気付けば、担任の先生がいた。

げ……

ちょっと怒ってる。

「亜紀さぁ~ん、ミナさぁ~ん? 今は、なぁ~んのお時間でしょうね~え?」

こ、こわ……

なんかドスのきいた声がメチャクチャこわ……

噂じゃ先生は昔――

どっかのレディースのリーダーだったとか

道場の師範だったとか

ひとりでチンピラの集団をぶっ倒したとか

なぜかなぜか、変な噂が多いんだ。

だから逆らっちゃダメだっ!!
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