恋するシステム
「ミナ、だれか探してんの?」

「えっ、あ、う、ううんっ、別に!?」

いや、その慌てっぷり……

明らかにウソじゃん。

「ふーむ」

と考えてみて、

「おっ」

と手を打った。

「そっか、高木くんか。このクラスだっけね」

ボフン!

って音がした気がする。

顔を真っ赤にしたミナが

あうあうと口を動かす。

「べっ、別に、あの、そんな、」

「へっへっへっ、テレなさんなって。いーよ、調べたげる」

かわいいミナの恋のため

あたしのシステム起動!

音を拾える範囲を広げて

いろんな人の声を聞く。

声紋チェック機能も立ち上げて

高木くんがどこにいるのか、耳で調べる。

友達、男子、女子、先生の声や物音、足音――

たくさん聞こえる。

不必要な情報は検索から外していって――

「見っけた」

パチッと

あたしは閉じていた目を開いた。
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