恋するシステム
大竹原くんの目が泳いだ。

あ、さては自分でもヒーローやってました発言は恥ずかしかったとか?

「実は、さ……今日の朝……見つけちまって。そいつ構ってやってて遅れたんだよ」

「見つけちまったって……なにを?」

「…………捨て犬」

ピキーンッ。

ブシューッ!!

瞬間、あたしの中のシステムが蒸気をあげた。

「うそ! ワンコ!? どこで!? 捨て犬!? やだぁ、やだやだやだぁ! かわいそー!!」

「な、なんだよ……アンタ、犬好きなのか?」

「そっりゃあもう! あたしの愛用記録フォルダにはワンコ画像がいっぱいなんだからっ!!」

「そ、そうか……」

「で、どこ!? 捨て犬なんてかわいそうなコはどこ!? 救出しなきゃ救出!!」

思わず掴みかかると

大竹原くんは顔をひきつらせた。

「ま、待てよ!? 放課後また行くから、そん時に案内してやるよ!?」

「絶対!?」

「ぜったい!」

「約束する!?」

「するする!!」

大竹原くんは首を縦にコクコク。

「ぃよっし、ぜったいね!」

「お、おう」

こうしてあたしは

ワンコ救出の約束を取りつけたのだった。
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