恋するシステム




教室に戻ると……

なぜかミナがいた。

「あれ……ミナ、高木くん見に行ったんじゃないの?」

「見てるよ? ほら」

窓から外を指差される。

グラウンドじゃ、豆粒サイズの男子達がボールを追っかけ回していた。

その中に、高木くんもいる。

ウィー

ジー

カシャ。

うん。

望遠カメラで確認したけど、間違いない。

溜め息が出た。

「ミ~ナ~」

情けない親友の頭をぐしゃぐしゃにしてやる。

「うう」

と、ミナは泣き言をぼやいた。

「だって、ここから見るので精一杯だもん」

「はいはい、あー、やれやれ」

「うう……」

ほんとミナってば……

こんなんでそのうち告白なんて、できるのかな。

親友としてマジに心配だ。
< 32 / 47 >

この作品をシェア

pagetop