恋するシステム





「きりーつ、れい」

「さようならー」

「はいさよならー」

っていうやり取りを終えた放課後

ミナが肩を叩いてくる。

「さ、亜紀、帰ろ」

「あ、ごめん」

「うん?」

あたしはパン、と両手を顔の前で合わせた。

「あたしさ、今日は大竹原くんと帰るから」

「え? ええー!?」

ギョーテンしたミナがバカみたいな大声を出す。

むしろあたしのほうがギョーテンするって。

「えっ、ねえねえ亜紀っ、いつのまにそんな話になったの!?」

「昼休みに」

「えーっ! それでそれで、ええっ、なんで付き合うことになったの!?」

「はいぃ?」

ミナ、アンタ、なんか言ってること変。

「待ってよ、ミナ。あたし、大竹原くんと付き合うとか言ってないから」

「? ……でも一緒に帰るって」

「一緒に帰ったら付き合うことになるんですかって。そうじゃなくて、大竹原くん、捨て犬見っけたみたいでさ。それで今朝遅刻したんだって」

「ふ~ん?」

「んで、あたし、そのワンコを救出に行こうかと!」

「あ、なるほど~」
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