恋するシステム




カラカラと大竹原くんが自転車を押す。

その後輪は見事にぺしゃんこになっていた。

あたしはちょっとうなだれた。

「あの、ごめん、なんかあたしが乗ったからだよね」

「いや、そんなんじゃねぇって。もともと空気抜けやすかったし、気にすんなよ」

「そ、そう?」

実は……

学校からいざ、ワンコの捨てられてる場所へ行こう!

ってなった時――

「うしろ乗れよ」

と、荷台を指した大竹原くんが言ってくれたのだ。

だけど……

ごめん、あたし、アンドロイドだから。

見た目女の子でも、中身は金属だから。

ほんとは口にできないくらいの重量あるから。

実はその……横綱くらい、ある、から……。

自転車の荷台に乗ったら、確実にパンクするから。

それなのに大竹原くんは「いいからいいから」って聞かなくて

仕方なく乗ったら、やっぱりプシュンプシュンって……

仮にも乙女として、めっ、めちゃくちゃショックだったよ!?

普段も体重気にして、エレベーターなんかできるだけ乗らないことにしてるのにっ!!
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