恋するシステム
「じゃあさ」

と大竹原くんは続ける。

視線はスミレ色の空を見たまんま。

「亜紀んとこじゃ、犬飼えないのか?」

「えっ、あっ、あたしんち!?」

そりゃ……そりゃあできるなら

あたしんちで飼ってあげたいけど……

でも……

「う、うちは……お父さんが犬アレルギーなんだよね」

「あぁ~、そっかあ……ならしゃあねぇなぁ……」

「うん……」

それに、もしお父さんが犬アレルギーじゃなかったら

今までの野良犬みんな引き取って

うち、犬屋敷になってるだろうし。

「そういう大竹原くんちは? 無理なの?」

「あー、無理っつぅか……俺んちアパートだし。つか、ハムスターさえ不可なんだぜ?」

「うあっちゃー、ハムスターでも?」

それは、犬なんか絶対無理だね。

「じゃあ……このコ……どうしよ?」

「ああ……どうすっかな……」

揃って見た先で

しばワンコはきょとんと、舌を出していた。
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