恋するシステム
大竹原くんが、すごい長い溜め息を漏らした。

「仕方ねぇよ……今日はコイツ、ここに置いてこう」

「えっ、ここにって、ここに!?」

ここ公園だし、やっぱり外だし……

っていうか

っていうか

っていうか

そんな、そんなのかわいそう……!!

「っ、仕方ねぇだろ? 俺んちもアンタんちも無理だしさ。こっそり連れ帰んのも無理だろ?」

「それは、そうだけど……」

こんなとこにまたヒトリボッチにさせるなんて。

「明日また来ようぜ。で、また里親探そう。それにもしかしたら、明日来たら誰かに拾われてっかもしれねぇだろ?」

「うん……」

可能性……

コンピューター計算じゃ、10%以下だけど……

あたしのコンピューターが計算式を出してるんだ。

このまま、公園にこのコを置き去りにするメリットは

まったくないって。

でも同時に

どちらかの家にこっそり連れ帰るのも

不可能だって。

あたし、アンドロイドだから――

そういう現実はイヤってくらい数値化されてわかるんだ。
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