恋するシステム
ドーン!!

「わっ、わっ!?」

いきなり、爆発が聞こえた。

床が揺れる。

あたしのシステム

オートバランサーが作動した。

でも『乙女』としては立ってらんない揺れで

あたしは近くの棚に寄りかかった。

揺れが収まる。

とたん、床の一部がバン! って開いた。

中から、ボサボサ頭で白衣を着た男の人が、階段を登ってくる。

「げほ、ごほ、あーびっくりしたな。お、おはよう亜紀、よく眠れたか?」

お母さんとおんなじ質問をしてくるのは

そう、あたしのお父さんだ。

お父さんは背が高い。

あたしよりずっと高い。

190くらいある。

けど猫背だ。

髪をきっちりしてしゃんって立てば

きっとそれなりにカッコいいのに。

お父さんの優しい目が、160センチ設計のあたしを見下ろしてくる。

「亜紀、喜べ、ついに完成したぞっ」

「えっ、それってもしかして」

あんな銀色メタリックなチューブじゃなくって

もちょっとかわいいチューブのこと?
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