恋するシステム
「それじゃ、いってらっしゃい、亜紀」

と、お母さんは笑顔で手を振ってくれる。

あたしはボトルチューブのストローをくわえながら

手を振り返した。

「いっれひまーふ」

がちゃ。

外へ出る。

空は青々

快晴。

湿度も気温も、ほどよい、春の和やかさ。

聴覚システムが

どこかから鳥のさえずりを拾った。

人間じゃないあたしだってわかる

今日はとっても、清々しい朝。






あたしはアンドロイド〝AKI〟――

ちょっと普通じゃないかもだけど

れっきとした中学三年生だ。

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