約束
「んじゃ、みんなが書き終わったところで!これやっぱ定番に10年後にする?」
さくちゃんが持ってきた小さな木で出来た箱にそれぞれ手紙を入れていった。
「んー?いいんじゃない??」
あたしは、あたし達の前に立ちはだかる大きな桜の木を見上げながらそう口にした。
「んでも、10年後って長くない??」
と、広実は言った。
あたしとさくちゃんは顔を広実に向けた。
「…なんで?」
あたしが聞くと広実は、大きな桜の木に触れて
「だってやじゃん。10年も広実達会えないんだよ?広実は、留学しちゃうし…このみ達は毎日のように会えるからいいじゃん?同じ大学だし。。」
そう…
広実は、卒業式が終わったら直ぐに留学しに海外へ飛びだってしまう…
「…広実」
広実は、小さく笑って続けた。