約束




…その時、








カシャーンッ



と何かが倒れて割れたような音が寝室の中から聞こえた。




「信!?」


バンッといきよいよく寝室の戸を開けると


飛び散ったプラスチックの破片に一枚の写真が無惨に破かれて床に散りばめられているのをつっ立って見ていた信は


あたしに気付くと慌てて


「ごめん!」と謝るとプラスチックを破片を丁寧に集めはじめた。


「……………。」


あたしは、寝室に一歩も足を踏み入れることが出来ずにただ立っていただけだった。




あの写真……。


高校の卒業式の時、あの四人で撮った最後の写真。


大切な思い出だった…


なのに…




「あ、このみ掃除機どこにある?」


あたしは、信が手にするプラスチックと床に落ちてるあの写真を交互に見るとそのまま床に座り込んだ。




「このみ…?」




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