約束




「どうした?」


信はあたしに駆け寄るとあたしの前にしゃがみ込んだ。


「……信…、その写真立てどこにあったの?」


震えた声で信を見上げた。

信は不安そうに


「ベットから降りてそのまま歩いてたらあそこのタンスに足の小指ぶつけてさ、そのいきよいでタンスの上にあった写真立てが落ちちゃった。」


信はベットから少し離れたタンスを指差すと次に写真立てが置いてあった所を指差した。


「…えっ、嘘。あそこにはCDデッキしか置いてなかったはず…」


そう、あのタンスにはCDデッキしか置いてなかったはず…


なのになんで??


「えっ?あー、気付かなかったんじゃない??デッキの後ろに置いてあったし。」


「そ、そっか、ならいいんだ。」


信につくり笑顔を向けると立ち上がって掃除機を取りに行くと信に背中を向けた。




「待って。なんでこの写真バラバラに破かれてるの?」




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