約束
嫌な予感?
「あのな?お前、自分自身何を求めてるかわかってねぇんだよ。」
「へ?」
あたしのマヌけた声と同時に電話の着信音がピタッと止んだ。
「このみ、自分に嘘ついてるんじゃない?俺のこと本気で好きなろうと思ってる?俺にも分かるんだ。あの写真に一緒に写ってるこのみ以外の人確かに笑ってるようで笑ってなかった。」
「…信…。」
「それが恐かった。俺本当は足をタンスにぶつけたわけじゃなくてあの写真手に持った途端とっさに離しちゃってさ…。ごめんな。くだらない嘘ついて。」
「待って…。もう写真のことはいいの、これ以上思い出したくないからっ…。それにあたしは信を好きになるって決めたの!」
理解するのに時間がかかる鈍いあたしの頭に苛立ちを覚えながら信を睨みつけてしまった。