約束




あたしはまた目線を携帯に向けるとすぐに電話に出た。




「もしもし?」


《………このみ?》


「どうしたの?さくちゃん。」


あたしは信に背を向けると受話器の向こうにいるさくちゃんに意識を集中させた。


《今家?》


「うん。信と一緒にいる。」


《……そっか。なら今日遅くなってもいいよね?俺、用事があって夜遅くなっちゃうからさ…。あ、でも家ではイチャつくなよ?とくにベットとかはな♪》


「ふっ何よそれ!つか、そんなことするわけないじゃんっさくちゃんの変態!!」


なんでだろう…


電話だからかな?


なんだか


とても寂しい。


さくちゃんの用事ってなんだろうとか…


急に不安になってきた。


あの頃のあたしみたいに―…




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