約束




―このみ―


ガチャ


「ただいま〜」


と元気に現れたさくちゃん。


「おかえり。」


あたしは、まだ熱い頬を隠しながらさくちゃんを出迎えた。


「…ねぇ、このみ。昨日の夜何もしてないよね?」


さくちゃんはあたしの横を通り過ぎると寝室の戸を開けた。


「えっ…何って…。」


あたしは寝室の中に足を踏み入れるさくちゃんの後を慌てて追った。


「……シーツ洗ったの?」

さくちゃんは、さっきあたしが綺麗に敷き直したベットのシーツを指差してあたしに顔を向けた。


「は?…な、何言ってんの?」


さくちゃんの言葉に理解出来ないあたしは首を傾げた。


「………」


さくちゃんは、少し考え込むと何かひらめたかのように


「あっ!」


と声を漏らした。




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