約束




その瞬間


一気に顔を赤く染めるさくちゃんは


「騙された…。///」


と小さく呟いて寝室を出ていった。



「ちょっとさくちゃん!?」


あたしもさくちゃんに続いて寝室を出るとリビングのソファに深く座る


さくちゃんと目が合った。

「…何でもないよ。」


さくちゃんは、優しく微笑むと


ポケットから携帯を取り出した。


「…そういえばさぁ、昨日言ったこと忘れてないよね?」


「…えっ?」


さくちゃんは携帯をいじりながらあたしを捕える。


そしてあたしはなんとなく、さくちゃんの隣に腰を下ろした。


「ホラ、電話で昨日言ったじゃん。“明日、俺らが通ってた高校に行かないか?”って……」


さくちゃんはあたしから目を反らすと携帯をパタンと閉じた。


「……あー…。」




< 120 / 124 >

この作品をシェア

pagetop