約束
「それよか、良かった。」
あたしより一歩先に歩き出した信は、星の少ない夜空を見上げた。
「えっ?何が??」
追い掛けるようにあたしも夜空を見上げながら歩き出した。
「ん?本当にさっきの人がこのみの彼氏じゃなくって良かった!ってこと。」
「あ。あー…、うん?」
首を傾げながら信の背中に目を移すと、不意に信が振り返った。
「意味わかってる?」
「は?い、意味って…?」
あたしの顔を覗き込んで言う信に苦笑いで答えた。
「今、お前を襲えるチャンスだって意味。これでわかった?」
ニヤける信にあたしは、慌てて信から離れた。
「わかったも何も…そんなことっ」
完全にパニくるあたしを見てさらにニヤける信。
「このみぃ〜、何そんなに慌ててんの?」
ゆっくり信があたしに近づいて来るたびにあたしは、ゆっくり後退りした。