約束
「えっ…。」
信があたしに落としたキスは、唇ではなく前髪に隠れたおでこだった。
「まぁ、今日はこんくらいでいいだろ。な?」
信にキスされたおでこから身体中に熱が渡った。
「おぃおぃ。おでこにキスしたくらいでそんな真っ赤になられちゃ、なんか調子狂っちゃうよ。」
いつの間にか真っ赤になっていたあたしの頬を信は人差し指で筒いてそのあと
ニヤッと意地悪に笑みを溢すと、さっきまで頬を筒いていた人差し指を
あたしの唇に移動させると
「その様子じゃ唇には当分無理だな?」
その言葉と同時に人差し指で唇をなぞった。
ビクッ
「あ。悪い、感じまったか?」
「ば、ばばっ!バカぁ!!」
パシッと信の手を振り払うと隙をみてあたしは、家に向かって走り出した。