約束
「信ッ!!」
初めて彼以外の男の人を好きになろうと思った。
目の前で息をきらせ上下に肩を揺らす彼を
気づいたら抱き締めていた。
「……信…会いたかったよ…」
どうして
その言葉が出たのか
今になって気づいた。
もしかしたらこの後の闇にあたしは気づいてたのかも知れない。
彼女との残酷な再会と
彼との久しぶりの再会。
それが怖くなったあたしは、信に助けを求めた。
「…俺もだよ。」
信の笑顔に急に痛く締め付けられた胸が魔法がとけたかのように緩やかに胸を踊らせた。
ドキンッ
「好きになってもいい?」
あたしの問掛けにお前は、バカかと、信が笑った。