予言日記。
足音は雪に吸い込まれてしまい、辺りには静寂のみが広がっていく。
そんな中、ふと、何かが靴に当たる音が響いた。
ずっと足元を見つめていたはずの視覚には映らなかったその感触に、固い氷か何かだろうかと不思議に思い、蹴り飛ばしてしまった物を探して視線を上げる。
蹴る際見えなかったはずの『それ』は、すぐに見付かった。
今までモノクロだった世界に、鮮血のような一点の朱。
「何これ、ノート?なんでこんな所に…」
それは四角い型をしていて、近付いてよく見てみると普通のノートのように見えた。
しかし、拾いあげてみると少しの違和感。
まず、見た目は普通のキャンパスノートにも関わらず、百科辞典のように無数のページがある。
これだけならまだ、辞典か電話帳なのだろうと納得出来る。
だがそれはそのどちらとも違い、視覚と触覚の情報伝達に支障が生じたとしか考えられない程に、重さを感じなかった。
それに加え、こんな雪道に落ちていたにも関わらずそれは濡れも凍りもせずに、まるで生き物のように熱を帯ていたのだ。
「何、これ…」
答えてくれる声はない空間で、芽衣子は再び、呟くのだった…。
そんな中、ふと、何かが靴に当たる音が響いた。
ずっと足元を見つめていたはずの視覚には映らなかったその感触に、固い氷か何かだろうかと不思議に思い、蹴り飛ばしてしまった物を探して視線を上げる。
蹴る際見えなかったはずの『それ』は、すぐに見付かった。
今までモノクロだった世界に、鮮血のような一点の朱。
「何これ、ノート?なんでこんな所に…」
それは四角い型をしていて、近付いてよく見てみると普通のノートのように見えた。
しかし、拾いあげてみると少しの違和感。
まず、見た目は普通のキャンパスノートにも関わらず、百科辞典のように無数のページがある。
これだけならまだ、辞典か電話帳なのだろうと納得出来る。
だがそれはそのどちらとも違い、視覚と触覚の情報伝達に支障が生じたとしか考えられない程に、重さを感じなかった。
それに加え、こんな雪道に落ちていたにも関わらずそれは濡れも凍りもせずに、まるで生き物のように熱を帯ていたのだ。
「何、これ…」
答えてくれる声はない空間で、芽衣子は再び、呟くのだった…。