幼なじみ〜first love〜
俺と絢音は、高梨が行きそうな店や、場所を探し走り回った。




駅前のカフェ、CDショップ、本屋、公園…




中学の時の友達ん家…




思いつく所は、全部まわったが、高梨の姿はなかった。




いつのまにか時刻は、23時を過ぎていた。




終電が近づき、駅前の人通りも徐々に少なくなってゆく。




「どこ行っちゃったんだろ…?携帯も繋がらないし。今日中に見つからなかったら、警察に届けるって…お母さん言ってた…」




絢音は動揺して興奮しているのか、声を震わせていた。




「絶対に見つかるから、心配すんな」




俺は絢音の肩に手を置き、優しく撫でた。




「蒼…もしかして栞がなんかしたとかじゃ…ないよね…?」




絢音が不安そうに訊く。




「なんかって…?拉致とか?まさか…犯罪じゃねぇか。いくらアイツでもそこまでしないだろ?」




ピリリリリッ…――♪




その時、俺の携帯が鳴った…着信は、ケンからだった。
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