幼なじみ〜first love〜

絢音―side―

辺りは不気味なくらい静かで、車の通りもほとんどない、住宅街の一画。


時刻はすでに日付が変わり、人々は眠りに就いてる頃だ。




あたしと蒼は、ケンちゃんが住んでいるマンションの前に着いた。




「絢音…あのな」




蒼は、さっきから美々ちゃんが見つかったっていうのに、ずっと険しい顔をしている。




「ん…?なに?蒼…」




「いや…早く行こう…」




蒼の様子が、ケンちゃんからの電話を切ってからずっと変だ。




エレベーターで上の階に上がり、その間もずっと蒼の冴えない表情の横顔を見ていた。




ガチャ…――


ケンちゃんの家の前に立つと、ドアがゆっくりと開き、中から険しい顔をしたケンちゃんが出てきた。




「…ケンちゃん!美々ちゃんはっ!?」




「オレの部屋にいるよ…とりあえず、入れよ。二人とも…」




なんだか様子がおかしい。蒼といい、ケンちゃんといい…二人とも険しい顔をしてる。




あたしはこの時、想像もしてなかった…。




いつも強気で

シッカリ者の



あたしの親友…美々ちゃんの




変わり果てた姿を………
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