幼なじみ〜first love〜

蒼―side―

俺と夏川は、屋上を後にし、階段を降りていく。




「ねぇ…蒼くん?栞のこと、名前で呼んで?」




「…栞?」




「フフッ…今日、学校終ったら、栞に付き合ってね?」




栞は、俺の左腕に絡まり、嬉しそうに微笑む。




「…あぁ」




「最初は無理やりでもいいの…。蒼くんはきっとすぐ、栞のこと好きになるよっ」




「どっからその自信が来るんだ?」




「好きにさせて見せるから」




「おまえには負けたよ」




俺の言葉に、満足そうにして栞は自分の教室へと戻っていった。




こうするしか…なかったんだ。




他には何も思い浮かばなくて




絢音…おまえを守るには




栞と付き合うしか、ないと思ったんだ。
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