幼なじみ〜first love〜
「何言ってるの…?蒼くん。ふふっ…また傷つけたいの?大事な大事な幼なじみのことを…」




不敵な笑みを浮かべる栞に、俺は携帯を見せた。




「なっ…!」




栞がシャワーを浴びてる間に、栞の携帯をこっそり服の中から盗んでおいた。




「返してよっ…!」




栞が、俺から携帯を奪い返そうとするが、女の力なんて、ビクともしない。




俺が突き飛ばすと、栞はベッドに倒れこむ。




「おまえさ、俺のことなんて別に好きじゃないだろ?」




「…何を言ってるの?」




「今まで手に入らない男なんていなかった。だから俺が欲しかったんだろ?人の気持ちなんて、力じゃどうにもなんねぇよ?」




「…うるさいっ!おかしいって思った。蒼くん今まで栞のこと嫌いだったのに、急に会いたいなんて電話…」




「俺も、もう少しおまえは賢いかと思ったけど」




「…男なんて皆同じじゃん。ただやりたいだけ。エッチさえすれば、みんな栞に夢中になったから。男なんてヤルことしか頭にないくせに!」




そう言って栞は、俺に枕を投げつける。




「おまえさ、そんだけ経験あるくせに、いい男と付き合ったことないんだな。可哀想にな」




「そんなにいいわけ!?あの子の何がいいのよっ!?」




「理由なんてわかんねぇよ。でも好きなんだ。ずっと小さい頃から一緒にいた。絢音がいなきゃ、俺は生きてる意味ない…」




「生きてる意味がない?バッカじゃないの?好きな女の為に命かけられるわけ?」




「ここで、おまえを殺して…俺も死んだっていいよ」




絢音の為なら




俺は、何でもできる…
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