幼なじみ〜first love〜
「おい……」
向こうを向いたまま泣き続ける栞の肩に、そっと触れた。
「同じこと…しただけじゃない…」
「えっ…?」
「栞がされたこと…しただけ…なのに…栞には…守ってくれる人なんて…ひとりもいなかった…」
栞の身体はひどく震え、指をくわえ、力強く爪を噛んでいた。
「まさか…おまえ…」
「…人って残酷だよね…。自分は何も悪いことしなくても…酷い目に遭ったりするんだよ…」
栞の言葉の意味をようやく俺は理解した。
「…生きていくには…開き直るしかなかった…」
恨んで…恨み続けて
それでも悲しみは消えることなく
誰かを傷つけなきゃ
栞は
生きていけなかったと
そう俺に言った……