幼なじみ〜first love〜
栞は、泣きながらゆっくりとした口調で俺に話し始めた。




「…何で……栞だけが…?」




―――……


栞は小学生の頃、クラスの女子たちからイジメにあっていた。


男子からチヤホヤされる栞に嫉妬してのことだった。


クラスの中にひとり、リーダー格の女子がいた。
彼女に嫌われると、イジメのターゲットになる。


栞をイジメないと、自分がターゲットになるかもしれない。


そんな恐怖から逃れる為に、言われるがまま女子たちは栞をイジメつづけた。




その受けたイジメと同じことを、絢音にもしたという。




他にも服を切られ、髪を切られ、机の中には画ビョウが入っていたり、恐怖に脅えながら酷いことをされ続けた6年間だった。




中学に入り、他の小学校出身の人間も混ざり、栞へのイジメは収まりつつあった。




栞は、同じ委員会で知り合った2コ上の3年生の先輩を好きになる。




しかし、その先輩には、先輩と同じ3年のクラスに彼女がいた。




告白もせずにあきらめようとした矢先、栞はその先輩から、好きだと告白される。


彼女とも別れるからと言われ、栞と付き合い始める。




しかし、その彼女は、栞のことを許さなかった。




その彼女が栞にした仕打ちは、高梨にしたことと同じ。




彼女は、他校の知り合いの男たちに頼み、栞を襲わせたという。




栞が見知らぬ男たちにレイプされたことを知り、付き合っていた先輩は、栞から離れていった。
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