幼なじみ〜first love〜
絢音―side―
―――……
この世界はきっと
いつも暗闇だ
「蒼……」
蒼がいない…蒼…どこ…?
砂の上を裸足のまま、ひたすら歩き続けた。
暗くて…何も見えない…
この世界を照らすものは
どこにもない
聴こえてくる静かな波の音。
ここは…どこだろう…?
足元が沈んでいく……――。
“何これ…黒い……血……?”
あの時のことが
鮮明に脳裏に浮かんだ
ここはあの時の海…?
“アンタの顔なんか…見たくないっ”
…美々ちゃん…ごめん…
あたしさえいなければ
美々ちゃんは傷つかなかった
消えないで…―――
いなくならないで……
お願いだから…
大切な人を
二度も…失いたくない…――